日本語字幕、疑問あり - その1

洋画、それも原作がある洋画は必ずと言っていいほど日本語字幕に関して物議が出るものですが、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』でもやはりいくつかの字幕に首が傾ぎました。

まず1つ目は、予告編からずっと気になっていたイオレクのせりふの日本語字幕。

I have a contract with this child.

ああ、約束したからな

管理人は翻訳のプロではないので素人考えですが、contractを「約束」と訳す意図がどうしても掴めません。

contractは、契約であって、「約束」とは少し次元が違うものではないかと。

気球乗りのリー・スコーズビーは、金で雇われる傭兵。つまり「契約」を元に行動するわけです。それは鎧熊も同じで、だから「contract」が使われていると思うのですが、それを「約束」としてしまうと、重みも意味も変わってしまうように感じます。

これは、すべてが「contract=契約」で成り立つと言われる欧米の感覚と、「口約束」で物事が動く日本の感覚の違いなのでしょうか・・・?

大人のための「ライラの冒険」読み解きサイト「北極光の彼方」では、試写会での字幕について触れられており、試写会ではイオレクの台詞は「この子と契約がある」となっていて、スコーズビー&イオレクが傭兵である点を押さえた字幕となっていたそうです。

試写会から本公開までの間に字幕が修正されることは珍しくないそうですが、それでも、「契約」を「約束」と修正したのであれば、これは改悪と言っても言い過ぎではないように思います。

未来を切り開く主人公に多くの者が協力していくわけですが、「契約」が前提にあるのとないのとでは、キャラクターの行動の意味づけも変わってくるわけで。

日本人受けしやすい紹介、ストーリーなどあるとは思うものの、台詞の意味を書き換えてしまうのは作品に対する冒涜とも感じられて、とても残念です。